白馬連峰の高山植物


               小蓮華岳への稜線から振り返り見た、白馬岳と杓子岳、白馬鑓ヶ岳

◆白馬岳の高山植物◆
「花の白馬と大雪渓」と呼ばれる程、白馬岳の高山植物は豊富です。その種類は800種とも言われ、日本の高山植物のほとんどを見ることができます。
いまでも、ときどき新種が見つかっています。




  コマクサ(ケシ科コマクサ属)駒草
高山植物の女王とも呼ばれる。ならぱ孤独な女王か。砂礫地に生えるがコマクサの廻りには不思議と他の草木が無い。薬草としてかつては乱獲された。白馬岳からの稜線ではあちこちでみられるが、白馬岳の裏、旭岳の頂上周辺にすごい群落があることは余り知られていない。
     
     
  白いコマクサ
まれにこのように真っ白なコマクサを見つけることもできる。

白馬岳山頂から三国境方面に少し下ったところにある。
     
  クロユリ(ユリ科バイモ属) 黒百合
コマクサが高山植物の女王なら、このクロユリは王様か。名前だけは誰でも知っている。ところが見た人は意外と少ない。梅雨どきに3000mの稜線近くで咲く花のせいかもしれない。草付きの中に頭を下げて咲いていて、紫褐色の花は気がつかないことが多い。下から見上げるとご覧のように美しい花だ。高さは10~20cm>
     
     
  ウルップソウ(ゴマノハグサ科ウルップソウ属)得撫草
白馬岳の稜線に群生している。高さ15~20cmほど。紫色の花穂は独特の趣がある。花期は早く梅雨どきだ。ほとんどの登山者は花が終ったあとの花塔を見る事になる。夏の終わりには大雪渓の砂山でも見ることができる。
     
  ウルップソウの白。
ウルップソウの群落の中に、マレに白いのがある。これは白馬山荘の下に咲いている一株です。
     
  シナノキンバイ(キンポウゲ科キンバイソウ属)信濃金梅
直径3~5cmの大型の黄色い花の群生は山頂のお花畑の代表だ。花弁に見えるのはガク片で5~7枚あり、まれに八重がある。これはボリュームがあって実に見事だ。黄色い梅のような花をつけることが名前の由来だが、金色の杯のたとえのほうが似合う。
     
  ミヤマオダマキ(キンポウゲ科オダマキ属) 深山芋環
礫地や岩に株をなして生える青紫色のきれいな花だ。園芸種と一見大差がないのですぐに分るが、サイズは少し小さい。
 
 
  シロウマタンポポ(キク科タンポポ属)白馬蒲公英
白馬岳周辺ではいたるところに見かける。ミヤマタンポポが本種でシロウマタンポポは変種である。外片の先に突起がある。
     
  チシマギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)千島桔梗
岩に貼りつくように群落をつくり、美しい青紫色の花に誰もが引きつけられる。稜線の至るところで咲いている。これとそっくりなのがイワギキョウ。写真でも分かるように花冠の縁に毛があるのが「千島」。毛が無いのが「岩桔梗」。高さ10~15cm
 
 
  イワギキョウ(キキョウ科ホタルブクロ属)岩桔梗
こちらが毛のないイワギキョウ。チシマギキョウと同じような環境に咲き、このイワギキョウのほうが少し小ぶりかなと思う程度でその差異はない。
     
  ミヤマクワガタ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属) 深山鍬形
高さ10~25cmになるが花は小さい。よく見ると雄しべ2個と雌しべが大きく花から飛び出しているので分る。クワガタとは兜の前額につける飾りの鍬形をいうのだが、昆虫のクワガタのイメージから名前を覚えた方が分りやすいかも・・・・。
     
  ハクサンイチゲ(キンポウゲ科イチリンソウ属)白山一花
高山植物の中でもポピュラーな花のひとつだ。茎の高さは15~40cmで上部に4枚の葉が輪生状につき、その茎葉の中心から短い数本の花柄を出し、先端に1個ずつ3~4cmの白い花をつける。イチゴの花に似ることからこの名がついたとも・・。
     
  クルマユリ(ユリ科ユリ属)車百合
花の咲き出しはやや遅く8月のお盆前ころから咲き始める。花の直径が5~6cmと大きくこの色なのでよく目立つ。ときとしてお花畑を朱色に染めるほどだが、白馬鑓ヶ岳の南面、大出原(オイデパラ)の大群落は見事である。
     
  ツクモグサ(キンポウゲ科オキナグサ属) 九十九草
梅雨どきに咲いてしまうので、一般的には花後の実につく羽毛状の花柱を見ることになる。
 
 
 
シロウマアサツキ(ユリ科ネギ属)白馬浅葱
アサツキとはネギの別称である。ネブカ(葱)ともいう。大雪渓を登りきった上の尾根状の草付きを葱平(ネブカビラ)と呼ぶのは、このシロウマアサツキからきている。ちなみに我々が[ひら]と呼ぶのは平らではなく、草付きの斜面のことだ。細いネギの円筒の先のこのように玉状の花つけている。
 
     
  ミヤマトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)深山鳥兜
クルマユリ同様花期は遅い。お盆を過ぎると山は秋風が吹き出すが、この青紫色の花も冷風に揺れる。白馬尻周辺から上のお花畑まで植生の範囲は広い。特に葱平(ネブカビラ)は多い。草丈40~70cmと高いので、他の植生から頭ひとつ抜き出ているので目につく。根っこが猛毒なことは余りに有名だ。
 
 
  トウヤクリンドウ(リンドウ科リンドウ属)当薬竜胆
夏の終わりに咲く花のひとつだ。淡黄色の目立たない花は静かに秋風に揺れている。
漢字名のとおり、根を薬用にしたことからこの名がついた。細長い根生葉は春先でも見分けがつく。若い頃、二日酔いの朝など胃にいいからとちぎって食べたが「良薬口に苦し」そのものであった。
 
     
  タカネシオガマ(ゴマノハグサ科シオガマギク属)高嶺塩竃
稜線近く株となって群生している。高さ10~15cmと低いが、がっしりとして花穂に美しい紅紫色の花を密につける。ひと抱えほどの株のかたまりとなるので見事だ。
 
  ヨツバシオガマ(ゴマノハグサ科シオガマ属)四葉塩竃
高さは20cm~50cm。ごらんのように葉が4枚輪生している。比較的目にしやすい高山植物の一つだ。

     
  イワオウギ(マメ科イワオウギ属)岩扇
草地や礫地に生え、乳白色の地味な花だが大きな株となって群生するので目に付く。白馬岳周辺には他にタイツリオウギ・シロウマオウギと同種があるが、このイワオウギが多い。高さは30~40cmほど。
 
 
  クロトウヒレン(キク科トウヒレン属)黒唐飛廉
日当たりのよい草地に生える。咲くと薄紅紫色で目に付くが、つぼみは黒褐色をしているので゛名前のクロのイメージがわくかも・・・
 
     
  テガタチドリ(ラン科テガタチドリ属)手形千鳥
いわゆるお花畑から稜線の信州側の草付まであちこちに咲いている。花は淡紅紫色で穂状にぎっしりかたまってつく。花茎は20~40cm。テガタとは地中の根が手の形に似ているのでついたというが、採ったことがないのでわからない。
 
     

  ハクサンフウロウ(フウロウ科フウロウ属)白山風露
葱平(ネブカビラ)から稜線近くまでどこにも咲いている。花径が3cmと大きく目立つ存在だ。高さ30~50cm
 
     
  イワベンケイ(ベンケイソウ科イワベンケイ属)岩弁慶
砂礫地や岩などに、このようにまとまって咲くことが多い。茎の先に黄色い小花を多数つけ、葉は質が厚いのでミヤマサボテンのあだ名ももつ名前の覚え安い花だ。高さは10cmほど。
 
 
  ミヤマアケボノソウ(リンドウ科ミヤマアケボノソウ属)深山曙草
稜線近く湿った草付きに咲く。高さ10~30cmほど。暗褐色だが味のある形のきれいな花だ。
 
     
  ミヤマキンポウゲ(キンポウゲ科キンポウゲ属)深山金鳳花
どこでも目にする高山植物の代表。黄色い花は種類も多いが植生の多さで群を抜いている。余りに目に付くので珍しくもなくなってくる。しかし、白馬鑓温泉から100m程下った登山道は、この大群落で埋まっている。ミヤマキンポウゲ以外の花は無い。そしてその密度とスケール。これには誰もが感激するだろう。
     
 
  大雪渓右岸のミヤマキンポーゲ群落。 

 
  ミヤマアキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)深山秋の麒麟草
高さは10cm~40cm と幅がある。大雪渓の入り口付近から見られる。
この花が目立ち始めたら、秋風が吹き始める

 

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